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教員紹介

熊本 隆之 准教授 [Takayuki Kumamoto]

担当授業科目
環境衛生学Ⅰ(2年生)/環境衛生学Ⅱ(3年生)/食品衛生学(3年生)/健康食品概論(3年生)/放射化学実習(3年生)/衛生薬学実習(3年生)/衛生薬学演習(4年生)/医薬品毒性学(4年生)/医療統計学(6年生)/科学コミュニケーション演習(6年生)/薬学演習Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ,Ⅴ,Ⅵ(2-6年生)/卒業研究(4-6年生)
研究
研究テーマ
  1. 化学物質・医薬品の周産期曝露が次世代に及ぼす影響
    『X染色体不活性化を中心とした新たな毒性メカニズムに関する研究』
     X染色体不活性化は胎生期に起きる現象ですが、これがうまく行かないと脳や免疫、生殖、代謝系の発達など様々な影響が生じます。この現象はXistとTsixというわずか2つの遺伝子とエピジェネティクス(後天的な遺伝子発現の調節)で成り立っていることが知られています。様々な化学物質や医薬品が胎盤を通過して胎児に作用し、成人になるまで多様な影響をもたらすことが報告されていますが、もしX染色体不活性化を乱してしまう毒性機構があるならば、全く新しいメカニズムとしてこれらの影響をより明確に説明できるようになるばかりか、なぜ同時に複数の影響をもたらすのか一元的に説明できるのではないか明らかにすることができます。さらに、毒性バイオマーカー(生物的指標)に活用することで医薬品や化学物質のより安全な開発に貢献できることが期待できます。
     また近年、DOHaD (Developmental Origins of Health and Disease)という、生活習慣病をはじめとした成人期の様々な疾病が周産期にその素因が形成され、その後の環境により発症に至るという仮説に対して多くの科学的根拠が蓄積されつつありますが、X染色体不活性化もその機序になりうるのではないか、そこから防御策の提案(=疾病予防、医療経済への貢献)を行えるのではないかと考え、研究を進めています。
  2. 催奇形性の発生機序解析
  3. 新規生殖発生毒性試験法の開発
  4. 環境中に存在する医薬品の生態毒性
  5. 栄養調査、水質調査
研究論文/研究発表

URL: http://researchmap.jp/tkumamoto

·  葉酸とDOHaD、その出生後影響 

          

熊本 隆之

 

BIO Clinica(1), 2022 

 

·  5-Fluorocytosine induces fetal skeletal malformations in rats by altering expression of Homeobox genes

 

Takayuki Kumamoto, Mika Senuma, Mai Todoroki, Fumiaki Kumagai, Hajime Imai, Reiko Suzuki, Tetsuo Ogawa, Makiko Kuwagata

 

Fundam. Tox. Sci. 7(2), 97-103, 2022

 

·  化学物質の環境影響を二次元的に検討する実験教材の開発

 

和田重雄,熊本隆之,小池光陽

 

日本科学教育学会研究会研究報告,34(7), 39-44, 2020

 

·  抗菌薬の環境影響を容易に観察する実験教材の開発

 

和田重雄、熊本隆之、山本勇樹、中須賀博隆、小池光陽、堀江均

 

日本科学教育学会研究会研究報告,34(7), 39-44 2020年

 

·  抗生物質で迫る環境教育教材の開発と教育実践

 

和田重雄, 熊本隆之

 

日本薬科大学紀要(5),68-71. 2019

 

·  Induction of a thoracolumbar supernumerary rib in rat developmental toxicity studies: a short discussion on the critical window

 

Kuwagata M, Senuma M, Todoroki M, Kumagai F, Kumamoto T, Ogawa T

 

Congent. Anom. 29(Nov), 2018

 

·  X染色体不活性化を中心とした胎生期環境の成長後影響

 

熊本隆之, 押尾茂

 

日本衛生学雑誌 73(2), 101-104, 2018

 

·  X染色体不活性化を中心とした胎生期化学物質曝露の影響

 

熊本隆之

 

環境ホルモン学会誌 20(1), 2017年

 

·  種子の発芽・発根への化学物質の影響を観察できる環境教育教材の開発と教育実践

 

和田重雄, 庭野純, 熊本隆之, 堀江均

 

日本科学教育学会研究会研究報告 3(32), 51-56, 2017

 

·  X染色体を中心とした新たな化学物質毒性メカニズムの体系化と影響評価システムの構築

 

熊本隆之

 

バイオクリニカ, 31(5), 62-64, 2016

 

·  東日本大震災前後における奥羽大学学生の食事・栄養調査〜BDHQを用いた解析〜

 

熊本隆之, 上野明道, 押尾茂

 

日本食生活学会誌 24(2), 124-129, 2013

 

·  Effect of fetal exposure to bisphenol A on brain mediated by X-chromosome inactivation

 

Takayuki Kumamoto, Shigeru Oshio

 

JOURNAL OF TOXICOLOGICAL SCIENCES 38(3), 485-494, 2013

 

·  Fetal exposure to diesel exhaust affects X-chromosome inactivation factor expression in mice

 

Takayuki Kumamoto, Naomi Tsukue, Hirohisa Takano, Ken Takeda, Shigeru Oshio

 

JOURNAL OF TOXICOLOGICAL SCIENCES 38(2), 245-254, 2013


所属学会・団体名

日本毒性学会、日本先天異常学会、日本DOHaD研究会、日本薬学会

日本アンドロロジー学会、日本食生活学会、内分泌攪乱化学物質学会、福島県病院薬剤師会

 

 


その他

科研費若手B「系統差に着目した過剰肋骨の遺伝学的解析」研究代表者

内閣府食品安全委員会健康影響評価技術課題「発生毒性試験における胎児形態異常に関する背景データ収集およびフルシトシン誘発性過剰肋骨の発現機序から考察する骨格変異の毒性学的意義に関する研究」研究分担者

科研費若手B「X染色体不活性化を中心とした妊娠期環境の後天的影響と防御策の実験的検証」研究代表者

日本環境教育機構「化学物質の環境リスクが一目でわかる環境教育教材の開発とその教育実践」研究分担者

科研費挑戦的萌芽研究「X染色体を中心とした新たな化学物質毒性メカニズムの体系化と影響評価システムの構築」研究代表者

福島県学術教育振興財団助成金「教育用ロボットを用いる確かな学力の育成と福島の科学技術振興」研究分担者

受賞

日本先天異常学会優秀研究発表賞(2021)、日本先天異常学会優秀研究発表賞(2018)、日本毒性学会優秀研究発表賞(2015)、東京理科大学学術奨励賞(2015)

資格

博士(薬学)、薬剤師(日本薬剤師研修センター認定薬剤師・日本病院薬剤師会認定薬剤師)

日本毒性学会 認定トキシコロジスト(毒性学専門家)、日本食品安全協会 健康食品管理士、スポーツファーマシスト、上級放射線ファーマシスト、環境社会試験eco seekerほか

略歴

2004年3月 東京理科大学薬学部 卒業、2006年3月 東京理科大学大学院薬学研究科 修士課程 修了、2006年4月 奥羽大学薬学部 助手 着任、2013年10月 博士(薬学)取得(東京理科大学)、2014年4月~2016年3月 奥羽大学薬学部 助教、2016年4月~2022年3月 同 講師、2022年4月~ 准教授。




インフォメーション

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