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能登半島地震被災地における災害医療支援活動への協力について(第二報)

2024.04.03

(報告者:奥羽大学薬学部 医療薬学分野 准教授 大原宏司)

 

 令和6年1月1日に発生した石川県能登半島を震源とする地震(能登半島地震)により、特に被害の大きい能登地方では、現在も多くの方々が避難所での生活を余儀なくされています。この度、日本薬剤師会(福島県薬剤師会)より第2回目の薬剤師派遣要請があり、3月13~19日の期間、石川県金沢市 いしかわ総合スポーツセンター(通称、スポセン)にて医療支援に加わりました。派遣メンバーは、藤島 謙蔵 先生(会津薬剤師会)と私(奥羽大学薬学部 医療薬学分野 准教授 大原 宏司)の2名です。

 石川県では、被災地域(能登半島)におけるライフラインの状況等を鑑み、スポセンを1.5次避難所(一時的な避難所)として要配慮者を対象に受け入れており、医療・介護支援に加えて、2次避難所(親族宅や公的な介護保険施設等)への転出・転居をサポートしています。スポセン内では、石川県薬剤師会、山口県薬剤師会および既に現地入りしていた福島県薬剤師会の派遣チームとの協働による活動を展開しました。主な内容は、スポセンへの入所者(約80名)に対する定期薬の残薬整理・管理、配薬、服薬説明、受診勧奨、OTC医薬品の適正使用推進および健康相談、また、医師への処方依頼・提案などです。また、各医療スタッフとの連携による入所者の薬物療法の継続や環境衛生の維持向上を図る支援を行いました。入所者の治療効果の評価、副作用発現の有無をはじめ、剤形、味および使い心地等々、一人一人のニーズに合わせた医療の提供においては、特に看護師との連携・カンファレンスは欠かせないものとなりました。一方、入所者個々人の身体や生活状況までを把握することが難しく、より適切な薬物療法の実現において介護職の方々との連携不足が浮き彫りになったことが反省点です。

 本来、スポセンは入所者の2次避難所への転出・転居の繋ぎの場(1.5次避難所)として設置されました。しかしながら、医療・介護施設としての機能を有していることから、今後、県外からの支援の縮小化をどのように図り、石川県内の支援のみで運営していくか、そして閉鎖へとどう導いていくかが今後の課題となっています。


1.5次避難所内(いしかわ総合スポーツセンター)

看護師との服薬状況に関するカンファレンス(右:藤島氏)

入所者の残薬整理を行う大原

入所者への服薬説明を行う藤島氏

入所者への服薬説明を行う大原
 

 



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