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能登半島地震被災地における災害医療支援活動への協力について

2024.02.20

 令和6年1月1日に発生した石川県能登半島を震源とする地震(能登半島地震)により、特に被害の大きい能登地方では、現在も多くの方々が避難所での生活を余儀なくされています。これを受け、日本薬剤師会から各都道府県薬剤師会に対して被災地への薬剤師派遣要請があり、私(奥羽大学薬学部 医療薬学分野 准教授 大原 宏司)は2月2日(金)~2月6日(火)の5日間、石川県珠洲市 健康増進センター(珠洲臨時調剤所)にて医療支援に加わりました。

 派遣メンバーは、福島県災害登録派遣薬剤師の松木 友治 先生(福島薬剤師会、本学薬学部 非常勤講師)、安藤 尚廣 先生(郡山薬剤師会)と私の3名です。現地では、広島県薬剤師会、千葉県薬剤師会および岐阜県薬剤師会の派遣チームとの協働による活動を展開した。内容は、DMAT、JMAT、その他医療チーム等による災害処方箋の応需(珠洲臨時調剤所)、日本赤十字社の救護チームとモバイルファーマシーの連携による災害処方箋の応需(すずなり救護所)、各避難所等へのラウンドです。なおラウンドでは、避難所の衛生・環境アセスメント(CO2測定、消毒薬の配置・確認)、OTC医薬品の適正使用推進と健康相談、支援医薬品の整理、災害処方医薬品の配送等々、被災者の薬物治療や環境衛生の維持向上を図る支援を行いました。被災者の方々からは、「医薬品が手元になくなりつつあり不安だったが、安心した。」、「来てくれてありがとう。」、「福島からきてくれたんですね。私たちの気持ちを分かってくれる方々が来てくれるとは心強いです。」などの声をいただき、泣いてくださる方もいました。

 そして、能登半島における珠洲市と他の被災地の医療事情で最も異なる点は、珠洲市内にはもともと保険薬局が一軒も存在しないことが挙げられます。そもため、急性期に必要な医薬品をはじめ、糖尿病や高血圧症など慢性疾患に必要な治療薬の備蓄が十分でなく、医薬品の供給、薬剤師の派遣、効率の良い医薬分業との連携が特に必要な地域となっています。こうした事情から、珠洲市内には2月一杯、広島県薬剤師会が所有するモバイルファーマシーが常駐し、日本赤十字社の救護チームとの連携による薬物療法の維持・継続を担っていく予定です。


DMATによる災害処方箋の鑑査と調剤を行う松木氏(珠洲臨時調剤所内)

日本赤十字社救護チームによる災害処方箋と診療録の内容を確認する大原氏(すずなり救護所内)

珠洲市内の様子1

珠洲市内の様子2

すずなり救護所(日本赤十字社救護チームとモバイルファーマシー)

 



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