お知らせ
2016.11.18
◇ 福島民報 平成28年10月7日(金曜日)新聞掲載 【 医薬品の配置販売 奥羽大薬学部生4人が見学 猪苗代 各家庭訪問に同行】 郡山市の奥羽大の多根井研究室に所属する薬学部生四人は、猪苗代町内で医薬品の配置販売に同行した。奈良県家庭薬配置商業協同組合に所属する配置員の丸谷泰文さんが、町内で得意先を一軒一軒訪問し、医薬品を販売するのを間近で見学した。 配置薬の販売形態は日本独自の手法で、配置員が一般家庭などを訪問し、経年変化の起きない一般用医薬品入りの配置箱を預ける。顧客はいつでも必要な時に必要な医薬品を使えるメリットがある。 一カ月のうち十日間余りを同町で過ごすという丸谷さんは各訪問先で相手の様子を見ながら医薬品を説明するほか、世間話を交え、顧客とのコミュニケーションを欠かさない。 同行した四年の和田萌花さんは、「近くに医療機関や薬局がない患者さんのためだけでなく、薬を適切に供給できる配置薬は健康保持にとても有効だと分かった。普段の生活や体調を把握している配置員は地域の方々と結びつきが強く、感動した」と語った。 ◇ 福島民友 平成28年10月16日(日曜日)新聞掲載 http://www.minyu-net.com/news/news/FM20161018-120279.php 【奥羽大生が医薬品の配置販売形態を学ぶ】 奥羽大薬学部の学生4人が15日までに、猪苗代町で医薬品の配置販売員に同行し、日本独自の販売形態を学んだ=写真。 同行したのは、多根井重晴准教授の研究室に所属する4年の和田萌花さん、橋本椎奈さん、伊藤颯希さん、6年の神山祐樹さん。配置販売は販売員が一般家庭を訪問し、経年変化の起きない一般用医薬品を取りそろえた配置箱を預け、顧客が必要な時に医薬品を使用できるシステム。和田さんは「近所に医療機関や薬局がない患者さんにとって、配置薬は薬を適切に供給するために有効」と話し、販売手法に理解を深めた。 ◇ 大學新聞 平成28年11月10日(木曜日)新聞掲載 http://daigakushinbun.com/post/views/889 【日本独自の販売形態 薬学生が配置薬販売を体験】 奥羽大学(福島県郡山市)の薬学部生がこのほど、福島県猪苗代町において日本独自の医薬品の販売形態として古くから伝わる「配置薬販売」を体験した。 配置薬販売とは、薬を販売する「配置員」が家庭や企業などを訪問し、一般用医薬品が数種類揃えられた配置箱を訪問先に預け、次回訪問時に使用した分の薬代を支払う「先用後利」が特徴的なシステム。薬が手元に配置されることで、顧客は24時間いつでも必要な時に薬を使用できるメリットがある。 配置薬販売は、「越中富山の薬売り」が有名で、先用後利のマーケティング手法も、創業の江戸時代から代々受け継がれ、全国へと広がった。そのルーツをたどれば大和国(現・奈良県)で、寺院などが施薬していた「大和売薬」までさかのぼれる。そこで日本最古の複合胃腸薬である「陀羅尼助」が誕生した。1300年が経過した現在でも、名水百選で有名な奈良県天川村の洞川の地では、銭谷小角堂などが販売している。 今回参加したのは、多根井重晴准教授の研究室に所属する4年生の和田萌花さん、橋本椎奈さん、伊藤颯希さんら4人。奈良県家庭薬配置商業協同組合(本部・御所市)所属の丸谷泰文氏の協力により実現した。同組合では、毎年組合員を対象とする講習会などを積極的に実施し、資質向上についても配置員が一丸となって切磋琢磨している。 丸谷氏は、配置員であると同時に登録販売者でもあり、1カ月間のうち10日間は猪苗代町の取引先を訪問するという。訪問時には、薬の使用状況を確認しながら、顧客本人の体調を気遣うと共に、地域住民との交流を通し、会話に花を咲かせている。 配置薬販売を初めて体験したという和田さんは「配置薬を見る機会は少なかったのですが、中身は顧客のニーズに沿ったものが揃っていました。家庭を訪問・販売する上で、顧客との会話を大切にしていたことから、改めて薬剤師に必要なコミュニケーション力について再確認しました」と、薬剤師に必要なスキルを実感したようだ。 社会薬学が専門の多根井准教授は「良い薬もなければ飲めない。知らなければ飲めない。飲まなければ効かない」ことからも、「将来の医療人を志す学生たちが、医療提供サービスで求められる真のキーワードを実感できたことは有益だった。超高齢化が進行する現代において、在宅ケアに注目が集まるいまだからこそ、配置薬の原点を見つめ直し、次世代を見据えた形態を考えることも必要ではないか」と、学生に対する期待と共に、配置薬の重要性と今後のビジョンについて語った。 「温故知新」を胸に地域医療を担う配置販売員。日々の活躍ぶりに今後の期待が高まると共に、次世代を担う薬剤師の卵である薬学部生の心まで届いたに違いない。